電子配置 wikipedia|無料辞書
電子配置(でんしはいち、)とは、原子を構成している
電子がどのような軌道に配置しているのか示したもので、これによって各
元素固有の性質が決定される。
・ 主量子数nは軌道の大きさとエネルギーを決定している。1,2,3..と整数値をとり、これは
電子殻 K殻、L殻、M殻…に対応している。
・ 方位量子数
lは軌道の形を決定している。0,1,2,...,n-1の整数値をとる。これは
s軌道、
p軌道、
d軌道、f軌道…に対応している。
・ 磁気量子数mは各軌道を決定している。-l,-l+1,...,0,...,l-1,lの整数値をとる。
例えば、主量子数2、方位量子数1の軌道を総称して2p軌道と呼ぶ。2p軌道は-1,0,1の3つの磁気量子数をとり得るが、
これらに対応して、2px,2py,2pzの異なる配位をもつ3つの軌道が存在する。
◆ 軌道と電子対
この様に電子の配置は軌道と対応付けられる。そして電子の属する軌道の種類に応じて、電子も分類されて呼称される。
・
s電子 -
s軌道上の電子。1s電子、2s電子、3s電子、4s電子、5s電子、6s電子、7s電子 …が存在する。
・
p電子 -
p軌道上の電子。2p電子、3p電子、4p電子、5p電子、6p電子、7p電子 …が存在する。
・
d電子 -
d軌道上の電子。3d電子、4d電子、5d電子、6d電子 …が存在する。
・
f電子 -
f軌道上の電子。4f電子、5f電子 …が存在する。
また、電子は
フェルミ粒子なので1つの軌道には、お互いに逆向きの
スピンをもつ2個の電子しか入ることが出来ない(「
パウリの排他原理」)。このように軌道が2つの電子によって占有された状態を
電子対と呼ぶ。
言い換えると、2p軌道には最大6個の電子が収容される。同様に3d,4d等のd軌道には最大10個、4f等のf軌道には最大14個の電子が収容される。
以上をまとめると下表のようになる。
水素のような1電子系では電子の持つエネルギーは主量子数nによってのみ決まるが、
一般に原子は多電子系であり、電子同士の反発により各軌道のエネルギーに差が生じる。
すなわち、方位量子数lが大きくなるほど軌道は原子核から遠くに分布するため、電子間相互作用の影響が大きくなる。
したがって、多電子系の電子軌道は1s→2s→2p→3s→3p→4s→3d→4p→5s→4d→5p→6s→4f→・・・
の順にエネルギーが高くなり、この順に電子が配置されていく(各軌道内での配置の仕方は
フントの規則を参照せよ)。
ただし、d電子の充填などではスピン間相互作用の寄与も入ってくるため、この規則に従わない場合もある。
◆ 電子配置によって決まる元素の性質
各元素の物理的・化学的な性質は、主に外側の軌道にどのように電子が充填されているかできまる。
希ガスと同じ電子配置になった方が、中性でいるよりも安定である。このため、1価の陽
イオンになりやすい。同様の理由で
◇ 内殻電子
最外殻電子(
価電子)の軌道より内側にあるものは
内殻電子(Core electron)と呼ばれる。
通常は、原子間の
化学結合や、
物性に影響を与えることはないが、比較的浅い軌道の内殻電子(例:
ガリウムの3d電子)や、内殻励起のような現象では、内殻電子が重要な寄与をする場合がある。
◆ 基底状態の電子配置表