診療放射線技師 wikipedia|無料辞書
診療放射線技師(しんりょうほうしゃせんぎし、
英Radiological Technologist)は、
病院・
診療所などの医療機関において
放射線を用いた検査・治療を業務とする、国家資格を有する医療職である。
◆歴史
医療における放射線の利用は、元々医師によって行われていたが、放射線診療技術の高度化に伴い、高いレベルでの専門知識や技術を身につけた専門職として診療放射線技師の職域が形成された。一般に、診療放射線技師以外の医療職も、従来の医師の分野から派生した職域が多く存在する。現在、医師が自らX線撮影やCTなどの検査を実施することは非常に少なくなり、高度な放射線検査の技術を身につけた診療放射線技師が専ら行っている。医療分野においても、細分化・分業化が進んでおり、現代の高度なチーム医療の一員として、診療放射線技師は不可欠となっている。
◆教育
診療放射線技師の学歴に関しては、従来は短期大学もしくは専門学校の出身者が多く見受けられたが、近年では診療放射線技師の高学歴化が顕著となり、四年制大学、さらには大学院出身者が大幅に増加する傾向にある。博士号取得者も増えてきている。主な学位の種類は、博士(保健学)、博士(医学)、博士(工学)、博士(理学)などである。
診療放射線技師養成校も、従来は短期大学と専門学校が主流であったが、現在では短期大学のほとんどが四年制大学に移行し、大学が専門学校よりも入学定員数を多く占めるようになったため、診療放射線技師の養成は大学教育が主流となった。
医療職を大きく分類する際(特に公立医療機関において)、医療職(一)を医師、歯科医師、医療職(二)を薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士等、医療職(三)を看護師、准看護師、保健師、助産師等とする場合が多いが、医療職(一)の医師・歯科医師は従来より六年制大学教育となっているのに対し、他は薬剤師を除いて専門学校から四年制大学まで多岐にわたる。近年、薬剤師が六年制大学教育化され、医師、歯科医師と同等の学歴となったが、他職種も薬剤師と同様に四年制(将来的には六年制あるいは修士)と教育体制が拡大していく傾向にある。特に、診療放射線技師と臨床検査技師はその傾向が顕著である。
◆資格
文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した診療放射線技師養成所において、3年以上診療放射線技師として必要な知識及び技能の修習を終えたものが診療放射線技師国家試験の受験資格を得られる。他に、外国において同等の資格を有するもので、特定の条件を満たすものにも受験資格が与えられる。
診療放射線技師法にて、人体に害を及ぼす恐れのある診療放射線を照射できるのは、医師・歯科医師・診療放射線技師のみと制限されている。ただし、
歯科医師に関しては、顎口腔領域のみを対象とすると解釈される。医療行為として人体に放射線を照射するため、放射線の物理特性や医療機器の特性の理解、照射する放射線量の最適化、人体への作用・影響の熟知、患者心理の対応等に関する知識を十分に備えた上で行うのが原則である。
従って、前述の資格を有しない者の人体への診療放射線を照射する行為は、違法行為である。(
業務独占資格)
◆国家試験
毎年1回、診療放射線技師国家試験が実施される。試験科目は以下の14科目、総問題数は200題、合否判定は正解率60%であると言われている。なお、近年、試験内容の改正が行われ、2004年3月実施の第56回の国家試験から以下に示す新しい科目構成となった。従来の試験に比べて、臨床・医学分野により重点を置くようになり、解剖学、画像の読影、基本的な疾患の病態や検査技術を問う設問が大幅に増加した。また、平成21年の診療放射線技師施行規則改正により、平成21年9月1日より、試験名称が「診療放射線技師試験」から「診療放射線技師国家試験」となる予定である。
;診療放射線技師 国家試験 科目
◆業務内容
医療において、主に
放射線を用いて検査・治療を行うことを業務としている。また、MRI、超音波検査などのように、放射線を利用しない検査を行うことも多い。他に、対患者以外の業務として、放射線管理等、職種の専門性を生かした業務も行う。
;診療放射線技師の行う業務