特定地方交通線 wikipedia|無料辞書
また、
1968年に国鉄諮問委員会が「使命を終えた」ローカル線を選定し、その廃止を促したいわゆる「
赤字83線」の取組みが政治的な理由で頓挫してしまった反省を受け、特定地方交通線転換の見返りに転換交付金(1kmあたり3,000万円)の交付や転換後5年間の赤字補填(バス転換は全額、鉄道維持は半額)を保証する等、
飴と鞭による転換の推進が図られた。転換交付金は、転換に要する初期投資や赤字補填のための経営安定基金の積立等に充てられた。
◆ 廃止路線の選定
1980年10月、国鉄再建法が成立した。翌1981年3月に出された
運輸省告示で、1977年度 - 1979年度の平均の輸送人員等によって国鉄路線を「
幹線」「
地方交通線」に分類、さらに地方交通線のうち旅客
輸送密度などの特に低い路線を「特定地方交通線」に指定し、廃止対象としたものである。
廃止対象路線の地元では、廃止から逃れるため、路線乗車運動が行われた。しかし、廃止対象となった路線はもともと利用者がきわめて少ないか、その減少から本数が極限まで削減されている路線がほとんどであった(第3次対象を別にすれば、大半が10往復未満)。適切な本数が用意されていれば利用者を確保できたと思われる路線でも、利用しようにもできない時間帯にしか列車が走っていない路線も多かった(
勝田線や
高砂線など)。鉄道利用が主流だった時代は、企業も鉄道のダイヤに配慮した始終業時間を設定していたが、
自動車通勤の普及など、
モータリゼーションの進展で企業も鉄道に遠慮する必然性は薄れていった。その結果、本数減少も相まって、まともに利用できるのは
通学客だけになっていた路線も多かったのである。そのため、乗車運動で輸送密度を増やそうにも限界があった。
また、こうした乗車運動に対して行政は厳しく対処した。たとえば、第2次廃止対象となった
松前線は、乗車運動で一時は廃止対象の基準を外れるだけの輸送成績を記録したが、毎年追試を行い再び廃止対象となった年度があったとして、廃止を逃れることはできなかった。また、第1次廃止対象となった
木原線や
信楽線、
若桜線は沿線住民の熱心な乗車運動により第1次対象の基準は上回ったものの、後の第3次対象の基準には届かず、最終的には3路線すべてが第三セクター化を選んでいる。
◆ 転換・廃止路線とその後
特定地方交通線の転換は1990年4月の宮津線と鍛冶屋線、大社線の転換を最後に終結し、最終的に83線 (3,157.2km) が転換された。鉄道として存続したのが38線 (1,310.7km)、
バス転換が45線 (1,846.5km) であった。
こうして特定地方交通線の転換はひとまず終結をみたものの、転換後の
第三セクター鉄道の経営環境は、沿線の
過疎化や
少子化の進行、
自家用車の普及により厳しさを増しており、多くの会社で転換時よりも乗客数が減少している。乗客減少による収入減に加え、
バブル崩壊にともなう
ゼロ金利政策によって赤字補填のための経営安定基金の利子収入が大幅に減少し、その取り崩しを余儀なくされて基金が底をつくなど、具体的にその存廃が協議されている会社もあり、今後もその行方が注目される。2008年末現在、民営鉄道に転換された2線および第三セクター鉄道に転換された5線がすでに廃止され、さらに近い時期の廃止が検討されている路線もいくつか存在する。
これはバス転換された路線でも同様で、
山野線のように、バス会社が撤退した区間を地元自治体が引き受けざるを得ない事態も生まれている。また、
白糠線転換バスなど、当初は鉄道時代より増便されたが、その後減便された路線は多い(白糠線の場合は鉄道時代に比べ1往復増の4往復が設定されたが、後に学校登校日に2往復のみとなった)。鉄道廃止時に設定された代替バス路線が完全に失われ、近くを通る
長距離バスに吸収される例も出ている(
幌内線の岩見沢 - 萱野間、
士幌線の糠平 - 十勝三股など)。
また、特定地方交通線の指定前に廃止された旧国鉄
根北線などでは近年代替バスすら全廃されており、過疎地域では公共交通機関が完全に消滅したところも現れている。
なお、JR自身は特定地方交通線廃止路線の代替バスを運行できないことになっている。ただし、既存のJRバス路線に統合できる場合は例外的にJRバスに転換されている路線もある(宮田線・大隅線→
JR九州バスに転換)。
◆ 第1次廃止対象路線
1982年度末までに廃止することとして、
1981年9月18日に廃止承認された路線で、次の基準によって選定された。ただし、将来沿線に団地などの造成により利用客の増加が見込まれる場合はそれを勘案し、とりあえず第1次廃止対象からは除外した(
鍛冶屋線・
漆生線・
宮田線)。
#営業キロが30km以下の
盲腸線(行き止まり線)かつ旅客輸送密度が2,000人/日未満(石炭輸送量が72万t以上の路線は除く。これにより、
幌内線と
歌志内線が第1次廃止対象より除外された)。なお、この基準に当てはまる
内子線が廃止対象路線自体に選定されなかった理由は
当該項目を参照のこと。
ただし、次の条件に該当する線区は特定地方交通線そのものから除外され、現在でも旅客鉄道会社 (JR) 線として営業している(後述する第2次及び第3次廃止対象に関しても同一)。
・特定地方交通線 page1
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