原核生物(
prokaryota、英: prokaryote; プロカリオート)とは、
細胞核を持たない
生物のこと。構造的に真核生物よりも遥かに小さく、内部構造も単純である。性質の異なる
真正細菌と
古細菌の2つの生物を含んでいる。ギリシャ語の "karyon"(木の実の核)にpro-(未)を冠し、Prokaryoteとしたのが命名の由来である。
かつて原核生物は細菌(バクテリア)と同義語とされ、
五界説では一括して
モネラ界に分類されていた。しかし、
リボソームRNAなどをもとにした系統解析では、原核生物は大きく異なる2つのグループ、真正細菌(バクテリア、狭義の細菌)と古細菌(アーキア)より構成されることが示され、また古細菌は真正細菌よりむしろ真核生物に近いことがわかった。すなわち、このことは原核生物は大きく異なった二つの系統からなり、加えて生物界を真核生物と原核生物に二分する分類が必ずしも実際の系統関係を反映しているとは限らないことを意味する。
原核生物は下等な生物であると思われがちだが、多様な生物種が存在を脅かす現環境下で生き延び、非常に早い増殖を可能にするために無駄を省いたシステムをもつ現生原核生物は、高度に特殊化しており原始的な生物とは大きく異なっていると想像されている。その
バイオマス(生物量)は真核生物の数倍から数十倍に達するとも言われている。