単細胞ということで、単純な生物だと判断するのは大きな間違いである。単一の細胞だけで世渡りする彼らは、多細胞生物の細胞より遙かに複雑で、全体の多様性も極めて広い。また、原生生物の場合、個々の機能のための特別な
器官のようなものを発達させるものも少なくない。
細胞器官という言葉は、元来このような構造に対して用いられたようである。
実際には、単細胞生物であっても、大きいものは
肉眼的なものがある。普通の単細胞生物では、
アメーバ、イエ
シロアリの腸内微生物に1mm近いものがある。それ以上大きいと、体の形を支えるのが困難なのであろう。しかし、固い殻を持つ
有孔虫では現生の
ゼニイシが直径1cm、
化石種にはもっと大きなものがある。さらに、細胞の仕切がない点だけを問題にするならば、もっと大きいものが存在する。
藻類では、細胞壁があり、さらに細胞内に支える仕組みを持っているものがあり、
オオバロニアは球形で直径3cm以上、
カサノリは長さ5cm、
マガタマモは10cmにも達する。
ミルは細かい
糸状体が絡まった構造で1m。さらに
粘菌の変形体は薄く広がるため場合によっては3mを超える。このような大型のものは、細胞内に多数の
核を持つ
多核体である。どうやら、単細胞で大きくなることの問題点の一つは、大きくなると核の支配を細胞全体に行き渡らせることが難しい点にもあるらしい。