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「ベンゾジアゼピン」||病院NAVI.com [05/24update]

ベンゾジアゼピン wikipedia|無料辞書

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ベンゾジアゼピン系精神安定剤(左ユーロジン、メイラックス、デパス、ソラナックス)
ベンゾジアゼピン (benzodiazepine) は、ベンゼン環・ジアゼピン環・アリール環から構成される、中枢神経GABA受容体の作用を亢進し、中枢神経の信号の流れを抑制する事によって、不安興奮などを抑制する働きを持つ物質である。不安や興奮を抑制することで眠気を誘うため不眠治療の薬としても利用される。
このベンゾジアゼピン受容作用を利用した薬をベンゾジアゼピン系と総称し、主に睡眠薬抗不安薬(マイナートランキライザー)に利用されている。またベンゾジアゼピンが作用する部位によって中枢神経への影響も微妙に異なっており、抑鬱状態の改善や痙攣発作の軽減を行う物質もあるため、抗うつ薬抗てんかん薬として使われるケースもある。
1960年代頃から使われ始め、バルビツール酸系薬剤に比べ、耐性が出来にくい、毒性が低く比較的安全であるといった特徴が有るため不眠や不安などの軽減用の薬として広く使われている。
ベンゾジアゼピン系は比較的安全と言われているが、アルコールとの併用は奨められておらず、ベンゾジアゼピン受容体の作用で一種の健忘を引き起こす副作用がある薬剤もある。アルコール併用や大量摂取時、高齢者には、逆に不安・易刺激性などが出現することもある(奇異反応、paradoxical reaction)。また長期の服用で依存や離脱症状を起こす場合があるため注意が必要である。

◆ 作用機序
中枢神経系では神経伝達物質として、アミノ酸が多く分布している。主な神経作用性のアミノ酸としては興奮アミノ酸であるグルタミン酸、抑制アミノ酸であるGABAが有名である。グルタミン酸受容体(ナトリウム、カルシウムイオンチャネル)としてはイオンチャネル型受容体であるAMPA受容体NMDA受容体カイニン酸受容体がよく知られており、代謝型グルタミン酸受容体としてはmGluRが知られている。GABA受容体ではイオンチャネル型であるGABAA受容体(クロールイオンチャネル)とGタンパク共役型受容体であるGABAB受容体が知られている。
GABAA受容体にはリガンドであるGABA結合部位の他にバルビツール酸系結合部位、ベンゾジアゼピン結合部位、糖質コルチコイド結合部位、ペニシリン結合部位、フロセミド結合部位、フルマゼニル結合部位が知られており、GABAとの反応性の調節を行っている(ペニシリンはGABAアンタゴニストのように振舞うのはこのためである)。
ベンゾジアゼピン系はGABAA受容体と結合するとチャネルの開口頻度を増加させる。バルビツレートと異なり、開口時間を延長せず、高用量負荷してもアゴニスト活性をもたない。その点でバルビツレートよりも安全性が高いと考えられ、抗不安薬睡眠薬抗てんかん薬筋弛緩薬として使用される。ベンゾジアゼピンがクロールチャネルの開口頻度をあげるメカニズムとしてはGABAとGABAA受容体との結合親和性を高めるためと考えられている。言い換えると、GABAの濃度―作用曲線を左にシフトすることとなる。
GABAA受容体の主な作動薬といえばバルビツレートとベンゾジアゼピンであるが、バルビツレートはGABAの最大効力をあげるのに対してベンゾジアゼピンは用量効力をあげると考えられている。
ベンゾジアゼピン受容体には3つのサブタイプが知られている。それは中枢性のω1,ω2および末梢性のω3である。殆どのベンゾジアセピンがω1,ω2を区別しない。ω1が鎮静に関わり、ω2が認知、記憶、運動機能に関与すると考えられているが明らかになっていない。完全アゴニストがベンゾジアゼピン受容体の占有率に応じて、抗不安、抗けいれん、鎮静、健忘、運動失調、筋弛緩の順に発現すると考えられ、副作用が選択に出現しない部分アゴニストの開発が急がれていた。その結果、ゾピクロン(アモバン)やゾルピデム(マイスリー)といった非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が開発された。これらはω1には作用するものの、ω2には作用しないため鎮静作用が殆どで、抗不安作用、抗けいれん作用、筋弛緩作用は弱くなっている。反跳性不眠や依存性もほぼなく、離脱症状も生じないため安全性がかなり高い。ベンゾジアゼピンの拮抗薬としてはフルマゼニル(アネキセート)が有名である。インバースアゴニスト(受容体の基礎活性を抑制する)としてはプロプラノールやアトロピンが知られている。

◆ 主なベンゾジアゼピンの臨床適応
全てのベンゾジアゼピンは鎮静作用をもっているが効果の出現時間、作用時間などが異なっており臨床適応はかわってくる。

◆主なベンゾジアゼピン系抗不安薬
ベンゾジアセピンの特性をよく表すパラメータとしては筋弛緩作用(等価容量で示す)、作用発現時間(tmaxが指標となる)、作用持続時間(t1/2が指標となる)、抗てんかん作用の強さなどがあげられる。作用時間は短時間作用型(3〜8時間)、中間作用型(10〜20時間)、長時間作用型(1〜3日)などが知られている。下の図はあくまで参考であるが抗不安作用が弱いものがより上になるように纏めている。